『スピンク日記』 町田康
始めて読む作家の作品です。
町田康さん
ミュージシャン。
1962年大阪生まれ。高校時代より町田町蔵の名で音楽活動を始める。
02年「権現の踊り 子」で川端康成文学賞を受賞、
05年『告白』で谷崎潤一郎賞、
(BOOK著者紹介情報」より)
パンクバンドの「INU」のボーカリストだったらしいです。
申し訳ないのですが、知らないバンドですねえ。
犬好きには たまらない本です。
そう、そう、そうと共感できる部分も多くて あっという間に完読です。
プードルのスピンク目線でのノンフィクションの日記が綴られています。
スピンクの兄弟犬が悲惨な状況に置かれていて
スピンクの飼い主がその兄弟犬を引き取ることになったのですが、
あまりにもその犬が悲惨な姿で、、
その写真も載っていて 胸が痛くなります。
なぜ 犬がペロペロと人の顔をなめるかご存じですか?
人は 犬にペロペロされると腹の奥底にある欲得ずくの心がシュウと消え
その結果 欲に目が眩むことなく正しい判断ができるようになり、安楽に暮らすことができるようになるらしいです。
また 忠犬たらんとすれば、主君もそれなりの人物でないとダメという記述は、
耳が痛いです。
犬ばかりに求めて 自分を省みない飼い主は×ということでしょうね。
読み終わった後 思わず我が家の駄犬をぎゅっと抱きしめたら
迷惑そうな顔をされました。
シロツメクサの上でボール遊びをしました。
ボールが茂っている草の中に隠れてしまうので
さがすのに必死。
そんな姿が可愛くて ずっと見ていました。
作者が言っているように 犬には不思議な力があるようです。