Memorandum of Haruki 'ハルキの備忘録‘

yahooさんから 引っ越してきました。どうぞよろしくお願いします。

再読 映画化『起終点駅 ターミナル』桜木 紫乃



明後日、映画公開されるというので再読。
主演の佐藤浩市さん、本田翼さん を頭に描きながら読み進めるが 無理があるねえ。
佐藤浩市さんの演じる 弁護士鷲田完治は 悲壮感漂う65歳、本田翼さん演じる椎名敦子は、小柄でつぶらな瞳の幸薄い30歳である。
佐藤の方は 若過ぎて、無欲感が不足してる感はあるが、まあそれなりだ。
でも高倉健さんが生きていたら 演じて欲しかったなあ~。
三国連太郎さんもいいな~。
また本田さんのピュアな明るい感じは 役の過去に傷持つ30歳とは程遠い。
興業収益を考え、若者受けをしている本田さんを起用したのであろう。
 自分としては、完治のもと恋人役に真木よう子さん、そして映画でその恋人役を演じている尾野真千子さんが、敦子の役にはまる気がする。
また敦子役に適する30歳の女優といえば、蒼井優さん、満島ひかりさん、宮崎あおいさんなんかがいるのに本田翼さん??
映画を観ず勝手に偉そうにどうでもいいことを語り 
申し訳ございません。


決して本田翼さんが嫌いではありません。
本は本、映画は映画と割り切ってみれば、おもしろいのかもしれませんね。
たぶん 映画館には観にいかず DVD化レンタルを待つでしょう。 

映画を観る方がいらしたら ご感想をお聞かせくださいませ。


6つの短編があります。
どの作品も詩的表現が満載で文章が美しいのですが 
少し凝り過ぎかな?みたいな所もあります。
その中で好きな表現
『台所の換気扇にあたる秋雨の遠慮がちな音が、
ふたりのあいだの沈黙を救っていた。』
この時の情景や心理がよくわかりますねえ。

『起終点駅 ターミナル』は 料理の場面も多く 匂いを感じる作品です。
ザンギというからあげがおいしそうで、
またドリップしたコーヒーの香りに癒されます。

よく出てくるのが 爪の描写です。
涙のかたちをした爪。
マニキュアがはがれた爪。
短く切った爪。
その爪が語っているんです。

読み終えた後、ぽっと灯る明るいものが感じられ 
切ないけれど少し嬉しくなる作品です。

帯の言葉
『苦しんでも、泣いても、立ちどまっても、
生きて行きさえすれば、きっといいことがある』


おまけ

月の世界に帰りたいわけではありませんが、最近 よく月を眺めます。
それで ダヤンのイラストをまねて描いてみました。