Memorandum of Haruki 'ハルキの備忘録‘

yahooさんから 引っ越してきました。どうぞよろしくお願いします。

文藝春秋 独占手記 『妹、川上慶子と私の30年』



芥川賞受賞作品を読みたくて 文藝春秋9月号を購入。
 独占手記 『妹、川上慶子と私の30年』が載せられていました。
日本航空ジャンボ機 御巣鷹山墜落事故から、もう 30年も経つんですね。
テレビでは悲惨な事故現場の映像が連日放送され、
特に、川上慶子さんがヘリで救出された映像は、衝撃的で今でもはっきり
覚えています。

 この手記は、その川上慶子さんの実兄 川上千春さんが事故から30年経ち、やっと事故を過去のものとして捉えることができるようになり、書いたもののようです。
しかし このことを語ることは 辛いことですね。
千春さんは、当時中学生で部活の練習があるため 家族旅行には参加されなかったようです。
千春さんの妹の慶子さんは、奇跡的に助かりましたが、父、母、末妹を突然、一度に亡くしどんなに絶望したでしょうか。 

慶子さんにとっては、自分の目の前で家族が亡くなってしまうという体験は、
どんなに辛く 悲しく 怖いことだったでしょうか。

現在、千春さんも慶子さんも新しい家族ができ、互いに3人の子供に恵まれ、
生活しているようです。

手記の最後に 亡くなった家族に対しての手紙が書かれています。
その中で 
「みんなの分まで、しっかりと生きたい」、そんな気持ちもあったけど、
僕の力不足で なんとか生活を続けるだけで精一杯だった。
ごめんね、不甲斐なくて。
という文があります。
千春さんが、今生きている、それだけで充分立派だと思います。

慶子さん、千春さんがずっと穏やかに暮らせますよう お祈りいたします。



この手記を読み 胸の奥が痛くて 芥川賞の作品を読むことができませんでした。
小説は 事実を越えることはできませんね。

しばらくしてから 読みたいと思います。