Memorandum of Haruki 'ハルキの備忘録‘

yahooさんから 引っ越してきました。どうぞよろしくお願いします。

『プリズム』 百田 尚樹




内容(「BOOK」データベースより)

「僕は、実際には存在しない男なんです」世田谷に古い洋館を構えるある家に、家庭教師として通うことになった聡子。
ある日、聡子の前に、屋敷の離れに住む謎の青年が現れる。
青年はときに攻撃的で荒々しい言葉を吐き、ときに女たらしのように馴れ馴れしくキスを迫り、ときに男らしく紳士的に振る舞った。
激しく変化する青年の態度に困惑しながらも、聡子はいつして彼に惹かれていく。
しかし彼の哀しい秘密を知った聡子は、結ばれざる運命に翻弄され―。




帯に『モンスター』と互いに対になっている小説と書かれている。
『モンスター』が おもしろかったので これも読みたくなった。

百田さんの作品は エンタメ性があって 読みやすく受け入れやすいが、
この作品は そこのところを狙ったが はずれたかな?
という印象がある。

精神を病み多重人格者にならなければ 
生きていけなかった人との恋愛が中心に描かれている。
話は暗いが 読んでいても落ち込むことも 心がざわつくこともなく読める。
精神を病んだ人を描く川上弘美さんの作品のようにゾクっとくる感じはあまりないのだ。
それゆえ 読後消化不良の感がある。

帯に描かれた『モンスター』と対の部分は、
『モンスター』は 美容整形で一人の人間が違う顔を持ち、
『プリズム』では、多重人格で一人の人間が同じ顔でさまざまな人格を持つ


ガラスの三角柱 プリズムに放たれた光は 
波長によって変わり 様々な方向へと進む。

しかし 様々な方向に進む光のもとは 一つである。

ということなのだろうか?







4月は 雨が多く 寒い日が多かったが
季節は もう 晩春かな?

薔薇が咲きだし 藤の花も もう少しで咲きそうだ。

ゴールデンウィークは ゆく春を満喫できるかな?