Memorandum of Haruki 'ハルキの備忘録‘

yahooさんから 引っ越してきました。どうぞよろしくお願いします。

④ 『ポストの子、中学受験の問題を解く 時計算 通過算』


昨日 写させてもらった問題 3問。
Q1.時刻が12時18分のとき長針と短針の作る小さい方の角の大きさは
   何度ですか?(時計算)


昨日は 学習ボランティアの人がいなくて ホームの先生が勉強室にいた。
でも 質問したら なぜそんな問題を解いているのかとか、
いろいろと聞かれそうなので ベッドの棚に置いてあるアナログの目ざまし時計の針を動かして 分度器ではかり 1問目の 答えを出した。
答え 100度

Q2.100mの電車が秒速20mで走っています。 
   この電車の先頭がトンネルに入ってから、電車の最後がトンネルから出るまで
   35秒かかりました。トンネルの長さは何mですか?(通過算)
これは 簡単だ。
速さ×時間=きょり
だから 20×35=700  答え 700m
でも 簡単すぎるな~

Q3.18kmの道のりを毎時何kmの速さで行くと、
   毎時4kmの速さで行くより1時間10分早く着くでしょうか?(速さの問題)

18kmの道のりを時速4kmの速さだと
きょり÷速さが時間だから
18÷4=4.5 4.5時間になる。
それより 1時間10分早いのだから
ええ~~~ めんどくさい!
1時間10分を時間に直さないといけない。
60分が1時間だから、10分は10÷60=6分の1時間だ。
それと1時間を+から 1時間10分は 1と6分の1時間になる。

4.5時間-1と6分の1時間=10分の45-1と6分の1
          = 30分の135-30分の35
          = 30分の100
          =3分の10
   1時間早く着くと3分の10時間かかることになる。


道のりは18km 時間は3分の10時間だから
道のり÷時間=速さで
18÷3分の10=5分の27
        =5と5分の2

だから 答え 毎時5と5分の2kmかな?





昼休みに 受験組(じゅけんを考えている子ども達の集団)のいつもの2人に答えを聞いた。答えは ×の横に赤いペンで書いてあった。

僕が合っていたのは3問目だけ。

あとは 微妙に違っている。

う~~ん。

2人は1問目だけ答えが違っていた。
今日の塾の始まる前に計算式を書いてそのワークを提出するように言われたらしい。
時計の問題は 2人もまだ習っていない。
5月の始めに教室で勉強する予定だが 毎日する宿題ワークの方が教室学習より先行したらしい。
今までの知識やひらめきで解くように言われ、どうしてもわからない人は 5月の時計の学習で覚えるようにと言われたようだ。
僕は 答えだけ 問題を書いた裏のページに写させてもらった。

当たり前かもしれないけど 学校の担任の先生は 中学受験組にあまり協力的ではない。
だから 学校の宿題もたくさんだし、受験組の子ども達は 家庭でそれをやる時間が
ないので 1時間目と2時間目の間の20分休みや昼休みは すぐ外に出て校庭を走り、すぐ教室にはいり 学校の宿題をこっそりやっている。
先生にみつかると 外で元気に遊べと言われるからだ。
先生に 塾が大変だから 宿題を減らして欲しいと頼んだが、
「おまえたちは 好きで塾に行っているのだから 特別視はしない。
宿題もしっかりやってこい。」
と言われたみたいだ。
学校の宿題は、漢字かきとりや計算ドリル 音読、それから先生が作る復習プリントだ。どれもやさしい問題だが 丁寧にしないとやり直しなので、とにかく時間がかかる。
受験組にとっては 放課後の1時間でも 貴重な時間らしい。
僕は 受験組ではないが 休み時間や昼休みは ほとんど1人なので 学校の宿題を終了させるようにしている。
そうすれば ホームに帰ってから ずっと本を読んでいられる。 


受験組の2人は 時計の問題は、よくわからないから このままにして 
5月に 塾で教えてもらう。そのとき 僕にも説明してくれると言った。
でも僕は 今日は 新しい問題は写さず 時計の問題を考えていた。

間違った2問目も教えてもらい なんとなくわかった。

ホームに帰り すぐ勉強室に行く。
今日は 学習ボランティアの人が来る日だけど おばさんはいない。
僕は 休み時間や昼休み、時計の問題のことばかり考えていて 学校の宿題が終わっていないので ランドセルから漢字ドリルと計算ドリルを出して ノートに写した。
40分くらいでそれらの宿題プリントも終わった。


まず 2問目の問題を再度挑戦。
Q2.100mの電車が秒速20mで走っています。 
   この電車の先頭がトンネルに入ってから、電車の最後がトンネルから出るまで
   35秒かかりました。トンネルの長さは何mですか?

20×35=700  答え 700m
と解いたが 僕は、電車の長さを考えていなかった。
トンネルの入る時は 電車の先頭だから 電車の長さは 考えなくてもいいいが
トンネルを出る時は 電車の最後が出たところまでだから 
35秒間で走った距離は トンネルの長さ+電車の長さ100mだ。
だから 20×35=700 700m-100m=600m
 答え 600mだ。

簡単に解けたら答えを疑わなくてはいけないな。

次に時計の問題を考えてみる。

う~~ん。

わかんないな~。

勉強室のドアが開く。
目をやると あっ おばさんだ。

僕は ノートを持っておばさんのところに行く。
おばさんは にこっと笑う。
「こんにちは、あのう この問題がわからないんですが、、」
僕がそう言うと 
「ちょっと 貸して」
とノートを僕の手からとり 問題を見ている。

Q1.時刻が12時18分のとき 長針と短針の作る小さい方の角の大きさは何度ですか?

「ああ 時計算ね。
 これは 解き方を知らないと難しいね。
 でも 解き方がわかれば 簡単だよ。
 机のところで 勉強しよう。」

そう言ったので僕は 自分の机のところに戻る。
おばさんんもノートを持ってついてくる。

おばさんは 僕の机の横の椅子に座り 自分のノートを出し、
ボールペンで円を2つ書き そこに12時と12時18分の針をさす時計を書く。
「まず 長針は1時間に 何度回るかわかるかな?」

「360度かな?」

「正解、長針は円を1周するから 360度だね。」

「それじゃあ  長針は 1分間では 何度回るかな?
 1時間つまり60分で360度だから 1分では?」 

「360÷60=6 で6度ですか?」

「大正解!
 今度は短針だよ。
 短針は 一時間何度回るかな?」

「1時間で 文字版の12から1までで進んで 
 円は360度で その間12に分かれているから そのひとつ分は
 360÷12=30で30度かな?」

「そうだね、よくわかったね。」

「これさえ分かれば 半分以上は 解けたと同じ。

それじゃあ 長針は1時間で360度回るということは 1分では何度かな?」

「1時間は60分だから 360÷60=6 で6度」

「正解!短針は 1時間30度回るから 1分では何度?」

「30÷60=、、、0.5   0,5度かな?」

「そう 大正解!
 今 覚えたことを 赤ペンでノートに書いておこう。」

「赤鉛筆でもいいですか?」

「もちろん。」

僕は 長針 1時間 360度
      1分   6度

   短針 1時間 30度
      1分   0.5度

と赤鉛筆で書いた。
おばさんから この数字は大切だから暗記した方がいいと言われた。
僕は 赤で書いたところを 赤の鉛筆で囲んだ。


僕は ノートに おばさんが書いたように 円を2つ書き 時計の数字を書き
12時と12時18分の針を書いた。

まず長針から考えると 時計の目盛の12から18まで動くから 18分で、、、、
赤で書いたところを見る。
6度×18分=108度

短針は 
0.5度×18分=9度

間の小さい角だから 108-9=99
答えは 99度だ。

僕は ノートを持っておばさんのところに行く。
おばさんは 一年生に ひらがなの「ん」の書き方を教えていた。
「ちょっとだけ まってね。」

そういって 一年生に教え終わると 僕のノートをたったまま手に取って見た。

おばさんは うん うん うん と何回も頷き
「すごい!!大正解!!やったね!算数の才能あるね!」

といってノートを僕に手渡す。

僕は もう一度 問題を解きたかったが 夕食の時間になったので ノートや鉛筆を片付けた。
この前は ちゃんとと見なかったけれど おばさんがぶら下げているプレートには
村上こはると書かれていた。
こはるおばさんだ。

僕は おばさんにお辞儀をして 食事室に行く。

ホームの西先生に廊下で会ったので 学習ボランティアの村上こはるさんは
また来るか聞いてみると 先生は
「仕事じゃない時は来てくれると思うよ。
こはるさんねえ。僕と同級生なんだ。
こはるさんは 教えるプロだからね、よくわかるでしょ?」

 僕は はいとうなづいた。
 なんか 西先生は 僕のことをこはるさんと話している気がした。

いい匂いがする、ビーフストロガノフかな?
 

廊下の窓からは、外灯に照らされ桜の葉っぱが ぴかぴか揺れていた。