Memorandum of Haruki 'ハルキの備忘録‘

yahooさんから 引っ越してきました。どうぞよろしくお願いします。

『悪童日記』 アゴタ・クリストフ






内容(「BOOK」データベースより)

戦争が激しさを増し、双子の「ぼくら」は、小さな町に住むおばあちゃんのもとへ疎開した。
その日から、ぼくらの過酷な日々が始まった。
人間の醜さや哀しさ、世の不条理―非情な現実を目にするたびに、ぼくらはそれを克明に日記にしるす。
戦争が暗い影を落とすなか、ぼくらはしたたかに生き抜いていく。
人間の真実をえぐる圧倒的筆力で読書界に感動の嵐を巻き起こした、ハンガリー生まれの女性亡命作家の衝撃の処女作。



とにかく 双子の兄弟に魅了された。
江戸川コナンが2人いる感じだ。
賢く 情が深いと思えば 平気で残酷なこともする。
そこの線引きは 相手が純粋か否かである気がする。
彼らの思う純粋かどうかは 彼らの尺度であるが
肉親であっても 裏切りや汚点は 許されない。
狂気ではあるが、戦時下においてはしたたかでないと
生きていけなかったのであろう。
身の回りの人達との駆け引きや陥れる場面は 痛快であり悲しい。
しかし 双子であるがゆえに強く 逞しく生きている。
簡潔な文体で読みやすく 一息に読んでしまった。
衝撃的な結末も待っていて、読み応え十分だ。
2014年10月3日には 映画公開もされ DVDも出ているようだ。
かなり酷な情景が多いと思うが どう映像化したのか 楽しみだ
続編の『証拠』『第三の嘘』も読んでみたいな~。







門の前の桜が満開だ。
今夜は 窓越しの夜桜を見ながら ビールでも飲もう