Memorandum of Haruki 'ハルキの備忘録‘

yahooさんから 引っ越してきました。どうぞよろしくお願いします。

『王様の耳はロバの耳 ~満開の桜の木の下で~』




明日から天気が崩れるという。

桜も見納めかな?

今日は 仕事も休みだし 土手まで桜を見に行こう。

会社の人達と 昨夜 花見をしたけれど 
花より団子、みんなで騒いでいただけだった。

それに花見も仕事の一つだしな~


犬を連れて 桜の木の下を歩く。

風にのって 花びらが舞う。

花びらの一枚が ぺたっと 犬の鼻にくっつく。

犬は、それを剥がそうと 舌先を鼻にぺろ、ぺろ、前足で鼻をこする。

それでもとれない。

その姿が おかしくて かわいくて そのままにしておきたかったけど、
不快そうなので ぺろっと剥がしてあげる。

平日だけど お弁当を食べたり、ビールなんか飲んで花見をしている人も多い。

保育園の子ども達もいる。



桜並木が終わるところは、人もまばらで静かだ。

一番端の木の下に腰をおろし 日の光できらきらしている川を見る。

犬は 暑くてハアハアと息があがっている。

水をあげるとドクドク飲む。

おやつのガムもあげる。

腹ばいになり 前足でガムを挟んで 噛みついている。

僕も 途中の自販機でかった 無糖の珈琲を飲む。

桜を見上げる。

びっしりと咲いた桜の間から 青い空がキラっと見える。



僕は 桜に謝罪する。

小学校のころ 土手は 僕の遊び場であった。

友だちとサッカーや野球をして遊んだ。

虫とりやつりもした。

家に帰る前に みんなで この桜の木の下で 用を足した。

それが 遊びの終了の儀式のようなものだった。


「桜さん、若気の至りと許してください。

でも もしかして それが栄養になったのかな?

また 遊びに来ますね。」

と言って 犬を見たら 樹の元で 大きいのをしている最中で踏ん張っていた。

「桜さん ごめんなさいね。

 僕の犬もあなたが大好きなようです。」

僕は 犬の大きいのをビニールの袋に入れた。


しばらく 桜の木の下で ごろんと転がって目を閉じた。

風、光、匂い、、、  春はいいね。



桜の木の下では みんな笑顔だ。

けんかしている人達は 木の下にくるといい
理由もなく 仲直りできるだろう。

桜は 何の見返りも求めないで
毎年 毎年 花をさかせ
人々に 幸をくれる。

見習いたいものだな~。




犬も自分の足取りも軽く ルンルンして 桜並木を歩いて帰る。





                                                   桜 羅舞 28歳 (会社員)





春の三重奏

一番奥が 花を落とし 緑がしげるハクモクレン

真ん中が もうすぐ咲きそうな ムラサキモクレン

そして 今は私の番よ!
と誇らしげにさく 桜です。

みんな ありがとね!