『病む女はなぜ村上春樹を読むか』 小谷野 敦
「なんだ?この表題は?」とその罠にかかり、まんまと釣られてしまった。
中身は 村上さんのことだけでなく いろいろな作家や作品が出てくる。
賛否両論はあるが、こういう見方、考え方もあるんだな~と楽しく読んだ。
特に好きな作家 大江健三郎さんに関する記述は興味、関心がそそられた。
全く知らない作家や作品も登場し それらを読むきっかけとなりそうだ。
私の名はHARUKIだが 村上春樹さんの作品は 最近ほとんど読んでいない。
評判の作品を読み始めても 途中で挫折してしまう。
なぜだろうと思っていたが その理由の一つがわかった。
それは 『血を流して書いていない』『すかしている』作品だというくだりが的を射ている。
血を流している作品を読むためには 読者も血を流さなければいけない。
それゆえ辛い読書では あるが 心に響くことができる、その解説には納得させられる。
いろいろな作家がいて 様々な読者がいて どの作品がいい悪い、好き嫌いというのは、あくまでも個人的趣向の問題だから 楽しく読めればそれでいいと思う。
しかし 小谷野さんの批評は おもしろい。
興味深い作家だ。
ということで小谷野敦さんについての記事を探すと、、、
リテラ 記事2014.1.24より
1月15日に発表された第152回芥川賞、直木賞。芥川賞には小野正嗣の「九年前の祈り」(「群像」9月号/講談社)が、直木賞には西加奈子の『サラバ!』(小学館)がそれぞれ選ばれた。とはいえ、受賞作の売り上げもかつてほどはのびず、その話題性、影響力は年を追うごとに低下。とくに芥川賞のほうはかなり地味になっているのは否めない。
そんな芥川賞だが、今回受賞者の小野以上に大暴れしている作家がいる。小野とおなじく今回の芥川賞候補にノミネートされていた小谷野敦だ。小谷野といえば"非モテ語りブーム"の元祖である評論『もてない男』が有名だが、近年は小説も発表している。芥川賞の候補となるのも2010年「母子寮前」で初ノミネートされたのに続き、2回目。今回は自身の父親を描いた私小説「ヌエのいた家」(「文學界」9月号/文藝春秋)で候補に選ばれるも、残念ながら落選に終わった。
そんな芥川賞だが、今回受賞者の小野以上に大暴れしている作家がいる。小野とおなじく今回の芥川賞候補にノミネートされていた小谷野敦だ。小谷野といえば"非モテ語りブーム"の元祖である評論『もてない男』が有名だが、近年は小説も発表している。芥川賞の候補となるのも2010年「母子寮前」で初ノミネートされたのに続き、2回目。今回は自身の父親を描いた私小説「ヌエのいた家」(「文學界」9月号/文藝春秋)で候補に選ばれるも、残念ながら落選に終わった。
~中略~
ついには、選考委員たちへの復讐を企むようなツイートまで始め、こうつぶやくのだ。
「わら人形五個できた。あとは五寸釘」
芥川賞の選考で落とされたことを恨み、川端康成を「刺す」と抗議した太宰治を彷彿とさせるではないか。実はコレ、車谷長吉が芥川賞落選の恨みを綴った短編「変」の「私は金槌と五寸釘と人形を持って、深夜の道を歩いていた。旧駒込村の鎮守の森・天祖神社へ丑の刻参りに行くのである。私は私の執念で九人の銓衡委員を呪い殺してやる積もりだった。」という一節のパロディらしい。ちなみに現在芥川賞選考委員は9人、車谷は9人全員呪うつもりだったようだが、小谷野のターゲット5人は一体誰なのか気になるところだ。
「わら人形五個できた。あとは五寸釘」
芥川賞の選考で落とされたことを恨み、川端康成を「刺す」と抗議した太宰治を彷彿とさせるではないか。実はコレ、車谷長吉が芥川賞落選の恨みを綴った短編「変」の「私は金槌と五寸釘と人形を持って、深夜の道を歩いていた。旧駒込村の鎮守の森・天祖神社へ丑の刻参りに行くのである。私は私の執念で九人の銓衡委員を呪い殺してやる積もりだった。」という一節のパロディらしい。ちなみに現在芥川賞選考委員は9人、車谷は9人全員呪うつもりだったようだが、小谷野のターゲット5人は一体誰なのか気になるところだ。
~中略~
「正確を期すが、とれなかったのはまだいい。小野、というのと、あのバカな講評、最初に落とされたというのが納得がいかん。」
そう、実は小谷野の作品、候補5作中一番最初に落選してしまったのだ。小谷野の「ヌエのいた家」は自身の父親の死を描いた私小説だが、選考委員で作家の小川洋子は会見で「「ヌエのいた家」については、嫌いなはずの父親が実はそう嫌いでもないんじゃないか、というような面が現れて面白いんじゃないかという意見も出たんですが、語り手の病んでいるところ・アンバランスなところへの意識が足りないということで、あまり票が入りませんでした。
そう、実は小谷野の作品、候補5作中一番最初に落選してしまったのだ。小谷野の「ヌエのいた家」は自身の父親の死を描いた私小説だが、選考委員で作家の小川洋子は会見で「「ヌエのいた家」については、嫌いなはずの父親が実はそう嫌いでもないんじゃないか、というような面が現れて面白いんじゃないかという意見も出たんですが、語り手の病んでいるところ・アンバランスなところへの意識が足りないということで、あまり票が入りませんでした。
過激だけど 今こういう作家いないねえ。
おもしろい作家だね。
なんか 可愛くない?
衝動買い。