『月と蟹 』 道尾秀介
「ダメよ~ダメダメ」だったのに
小学生はこういうの好きだねえ~。
そのラッスンゴレライももう古くて
らしい。テレビ見て 家でいっぱい練習して 翌日学校で披露するんだろうな~。
毎日、朝が楽しみでしかたがなんだろうな~。
それで おちゃらけてふざける子は人気があって それに憧れたりする子もいたり。
いつの世も 小学生 特に男子は いい意味単純でバカで
そういうのに 命かけてるみたいな感じですよね。
今となっては うらやましい限りです。
でも そんなふうに手放しで小学校生活を楽しめない子どももいるのです。
それがこの本の主人公と友だち。
環境における心の闇がそうさせています。
他の子どもが所有していない闇を自分達が持っているということ自体、
耐えがたく 不安で 狂気になっていきます。
大きな世界や違う世界があることさえ気づけない少年ゆえの不幸。
何度も出てくるやどかりの殻をあぶって中身を出す描写の不気味さ。
閉塞感がある内容で 苦しくて早く抜け出したくなります。
最後これでよかったのだと微かな希望を見いだせ少しほっとしますが
ず~んと暗くせつないものがいつまでも残りますねえ。
結局 子どもみたいに純粋で弱いものの心が一番 傷つくんだね。
そこのところ 大人は理解しないとだめだね。
おまけ
傘を開くように ハクモクレンも開いてきた。