Memorandum of Haruki 'ハルキの備忘録‘

yahooさんから 引っ越してきました。どうぞよろしくお願いします。

9/1 『反田恭平ピアノリサイタル2017』

    
ピアノリサイタルに行ってきました。
2016年1月の鮮烈なデビュー・リサイタル、そしてそれを上回る8月の演奏。
その後 犬の介護と死、また家族の死、といろいろなことがあり 
演奏会に出かけられなかったので 久しぶりの演奏を聞くことに期待しながら出かけました。しかし、思っていた演奏とは違っていて、今回は大きな感動がありませんでした。

ツアーの最終日ですし、メディアでの露出も多いのでお疲れ気味だったのかなあ~

前回は観客が前のめりで聞いていて『ブラボー!!』の声が絶え間なく聞こえていたのにそれもありませんでした。
演奏について素人が語るというのは 上から目線もはだはだしいのですが、
音が滑っている所やミスタッチの所が多く、それが気になって演奏にのめり込めませんでした。
また プログラムの曲が一般受けしない曲が多い気がしました。

特に最初の『遮られない休息』は 自分には難解な曲でした。
この曲が終わり 反田さんが舞台袖に捌けた後 客席もざわざわしていました。
この曲は、瀧口修造の詩画集『妖精の距離』の詩を標題にしたものらしいです。

「妖精の距離」 瀧口 修造

うつくしい歯は樹がくれに歌った
形のいい耳は雲間にあった
玉虫色の爪は水にまじった
脱ぎすてた小石
すべてが足跡のように
そよ風さえ
傾いた椅子の中に失われた
麦畑の中の扉の発狂
空気のラビリンス
そこには一枚のカードもない
そこには一つのコップもない
慾望の楽器のように
ひとすじの奇妙な線で貫かれていた
それは辛うじて小鳥の表情に似ていた
それは死の浮標のように
春の風に棲まるだろう
それは辛うじて小鳥の均衡に似ていた

こういうのをシュールレアリスムといい、超現実主義ということらしいです。
よくシュールという言葉を聞きますが それと同じような意味のようです。
それを音楽にしたのですから 難しいですね。
最初から最後まで不協和音が多く すっきりしない曲でした。






9月1日は 反田さんの誕生日。
演奏の最後に のだめのマングース君がケーキを持ってお祝いに来ました。
観客もハッピバースディの歌を歌いました。
反田さんは、まだ23歳です。

来年は24か所でのツアーがあるようです。
忙しすぎて 体調管理も大変だと思いますが これからの活躍に期待したいです。
今度は迫力あるラフマニノフが聞きたいです。




オペラシティの階段をおりて帰りました。
この空間すごく好きです。