Memorandum of Haruki 'ハルキの備忘録‘

yahooさんから 引っ越してきました。どうぞよろしくお願いします。

⑩ポストの子 母の日は嫌いだ。

5月10日(日)
今日は 母の日らしい。
母に感謝する日だ。
でも僕にはお母さんがいないので 母の日はない。
どこかにいたとしても 僕を捨てたから お母さんではない。

ホームの先生は 親切で母親代わりだけど お母さんとは違う。
乳児院の時 大好きだった先生ともホームに来る時にさよならをした。
僕は はなれたくなくて たくさん泣いた。
先生も泣いていたけど僕と さよならをした。
僕には お母さんがいないから お母さんがどんなものかわからないけど
安心できる人や好きな人はお母さんに近いのかもしれない。
でもここでお母さんを想像させる人とは 必ずさよならしなければいけない。
本当のお母さんならこどもとさよならはしない。
だから 僕は 先生をあまり好きにならないようにしている。

今日は 教会に行くのはやめよう。
親子の幸せを見せつけられる気がする。
こはるさんからもらった問題集をしよう。


幼稚園に行くようになって 僕は友だちのお母さんがすごく嫌だった。
僕に優しくしてくれたけど 僕を見る目が嫌だった。
僕をみながら わざとお母さんに甘える友だちもいた。

小学4年生のころ 僕は考えた。
みんなにお母さんやお父さんがいるから 僕は嫌な思いをするんだ。
みんなが僕と一緒なら 嫌な思いをすることはない。
友だちのお母さんもお父さんもみんな死んでしまえばいい。
みんな 僕と同じになればいい。

人のことを死んでほしいと思うのは 悪魔の心だ。
僕は どこかがおかしいのかな。
ホームには カウンセラーの先生がいて 保健室の横の部屋にいて
いつもドアが開いている。
 入口には 『あそびにきてね。ひみつのはなしもだいじょうぶ。』と書いてある看板がかかっている。看板にはうさぎとくまの絵も書かれている。

誰にも秘密にするということだったので友だちが相談に行った。
でも その後 その子を見る先生たちの目があきらかにちがっていた。

僕は カウンセラーの部屋には行かないで 図書室で 自分の心のもやもやを解決してくれる本を探した。
図書室は 高校生も利用するから 難しい本もたくさんあった。
僕でもわかるやさしい心の本もあった。
いろいろな考えの本があった。

僕が 死んでしまえばいいと思うのは  
僕のいままでの環境や僕の年齢がそうさせているようだ。
温かく 安心でき なんでも受けいれる家庭がそういう気持ちをほぐしていくようだ。でも 僕には家庭がない。
だから 自分を充実させたり発散させる何かを見つけることが大事みたいだ。

ふ~ん そうなんだ。
でも それって何をすることなのかな?

最近の僕は 頭でわかっていても、
しかたないから諦めないといけないとわかっていることでも 
なぜか いらいらする。

そういう時期なのかな?

本を読んでもよくわからないなあ。


人にいなくなってでほしいと思う気持ちは いけない気持ちだけど
これが僕の正直な気持ちなんだよなあ~。


母の日なんて大嫌いだ。


春さんの髪の毛のにおいを思い出した。
春さんに会いたいな。


そうだ、春さんに会いにいこう。