Memorandum of Haruki 'ハルキの備忘録‘

yahooさんから 引っ越してきました。どうぞよろしくお願いします。

『幻夏』 太田愛



夏の終わりを感じるミステリー小説が読みたくなり 
タイトルに誘われ『幻夏』を読んだ。

23年前の夏、失踪した親友は何を求め、何を失ったのか――

肝になる日が 夏休みが終わる日から9月の始業式までで 読んでいる現在と月日が近く 台風など天候も類似しているので 読んでいて臨場感がある。
また 事件が起きたころの 小学校のありようやその時代流行ったもの 家電 家具 風景等 がなつかしく ノスタルジックな気分になった。


太田愛さんの作品は 初読みだがまるでテレビドラマや映画を見ているかのように 登場人物が映像として生き生きと動き出す。
太田愛さんは テレビの『相棒』『トリック』などの脚本を書いているらしい。それで 小説の中の人物が動き出すのかな。
わかりやすく 結末までわからない謎があり ワクワク気分で読めた。
ただ 登場人物が多いので 冒頭ページの登場人物プロフィールをしっかり頭に入れていかないと混乱する。
そして読了後 胸が詰まるほどの切ない気持ちになる。

どうしてそうなってしまったのか 悲しくて辛い作品だ。
だから いつまでも心に残るものになるだろう。

この作品の前編や続編もあるらしい。
ぜひ 映像化してほしい。