Memorandum of Haruki 'ハルキの備忘録‘

yahooさんから 引っ越してきました。どうぞよろしくお願いします。

『さよならの力 大人の流儀7』 伊集院静

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さよならの力 大人の流儀7
2017/02/27発売
(講談社)

人生の半ばで逝ってしまった人。
近しいそんな人との別離を経験した人にしか見えないものが見えて来る。
伊集院さんの体験からの思いや考えが綴られ 説得力があり、心に沁みる。
先日の雪崩事故で多くの若者の命が消えてしまった報道の後だけに 
残された者達の苦悩ややりきれなさを痛切に感じ、もっと生きたかっただろう人達の思いを想像すると、本を読みながら苦しくなった。
「井伏鱒二が訳した詩の一節『サヨナラだけが人生だ』は、残酷な言葉だが、
これが実の人生なのかもしれない」と書いているが 本当に悲しい言葉だ。
若者達のご冥福をお祈りし、また 残された方達の哀しみが時の経過とともに少しでも和らぐようお祈りいたします。



『別離は哀しい出来事である。
さよならと言う言葉さえ耳には残らない。
長い間、去って行った人たちが、どこかで独り淋しくうつむいているのではと憂えていた感情が、今は、彼、彼女の笑顔が浮かぶ時さえある。
それは彼等が生きていた時間へのいつくしみであり、生き抜くしかないという自分への叱咤かもしれない。
さよならに力があるとすれば、誰かへのいつくしみがあるからではないか。
今、私はさよならが与えてくれた力を信じている。』




今日は暖かく 子供たちは波打ち際で遊んでいた。
知らない子供たちだけれど 幸せを祈る。