絲山秋子 『沖で待つ 』
第134回(平成17年度下半期) 芥川賞受賞 作品。
サクサクと読みやすい。
中でも「勤労感謝の日」がおもしろい。
若かりしころの群ようこさんの切れ味がよく 読み手に爽快感をあたえる作品と似ている。
「勤労感謝の日」は、失業中のいわゆる負け犬とよばれる女性のお見合いの話でかなりの毒舌で笑える。
そしてその続きという感じで「みなみのしまのぶんたろう」がある。
石原さんは この作品に対し無視したようだが こんなにあからさまに石原さんに喧嘩を売る姿勢は ある意味あっぱれだ。
受賞作「沖で待つ」は 同期入社の同僚の男女の友情とその妻への想いが中心となっていて いわゆる良い話だが深みはない。
これが芥川賞?
ただ「沖で待つ」のタイトルの意味が最後にわかりすっきりした。