『美人薄命』 深水黎一郎
ミステリー小説という括りだが いろいろなものが満載で伏線の絞りどころが定まらず、すっきりと読み進められなかったが 次への期待感ですらすらと読んでいく。
就職活動で印象を良くするために ボランティアで老人への弁当配達を始めた大学生の総司は 配達先で老婆カエと出会う。
そこから物語は始まるのだが 高齢化社会の問題、戦争体験、純愛物語、総司の成長、
と様々ものが語られていく。
そして これで終わりかなと思ったところに 謎解きがやってくる。
良く作られたもので なるほどと感心させられるが 少々くどく無理がある。
しかし最後の最後は 油断すると涙が落ちそうになるほどせつなくて美しい。
ここで登場するカエばあちゃんが 『ジークフリートの剣』という作品にも出てくるらしいので今度読んでみたい。
さてこの本の題名は『美人薄命』だが この題名にした理由がはっきりしない。
本文中で カエが ジョークで自分のことを美人薄命と言う場面はあるが、、、
作者が本文ジョークでつけた?
また日本では一般的には「美人薄命」と表現されているが、古代中国では「美丈夫」な男子のことを美人と言っていたようだし、美人≒佳人(立派な人物)と考えると
若くして戦死した人々のことを言っているのだろうか?
わかる人がいらしたら 教えていただきたいです。
湖の周りを散歩した。
強い風が冷たく 少し歩いて帰ってきた。
それでも ワンコ達は満足したようで 帰宅後はぐっすり寝ていた。
散歩中、栃の木に出会った。
絵本『モチモチの木』を思い出した。
モチモチの木=栃の木らしい。
今は葉を落とし 少々不気味だが 葉が茂り 花が咲くころにまた見たい。